数字が苦手な大人の計算力アップにそろばんが役に立つ理由

そろばん(珠算)というのは、子供の習い事。
ほとんどの方がそういう風に考えているのではないでしょうか。

しかし、もし、あなたが

(A)計算が苦手。コンプレックスもある。なんとか計算力をつけたい。
あるいは
(B)脳の活性化、認知症予防の為に何かやっておきたい。

と考えるのであれば、そろばん(珠算)というのは非常に役に立ちます。

(A)か(B)かで、その理由が異なりますが、今回は (A) のケース、「数字が苦手な大人の計算力アップにそろばんが役に立つ理由」についてご説明しましょう。

(B)のケース、すなわち、大人の脳の活性化、認知症予防に役立てる為のそろばんの使い方、トレーニング方法についてはコチラのページが参考になります。


目次

数字が苦手な大人の計算力アップにそろばんが役に立つ理由

大人でも計算が苦手な方はいらっしゃいます。
計算だったら電卓があるから、わざわざ大人になってから計算力をつける必要はないんじゃないか、という考えもあるでしょう。それは確かに一理あります。なので、大人になってから、わざわざ苦手な計算を克服するために時間を使う必要はないというのも一つの考え、割り切りだと思います。こういった方は、そろばんだったり計算術の習得は不要でしょう。それよりは高機能な電卓の使い方をマスターした方が賢明かもしれません。今はスマホアプリの進化が非常に速いので、驚くほど高機能な電卓アプリもあるかもしれません。

それでも、あまりに数字や計算に弱いと日常で、あるいは仕事で困るというケースは今でも確かにあります。そんな人の救いになるのがそろばんです。実は数字が苦手な人、計算が弱い人ほど、筆算だったり巷にある計算術や算法よりもそろばんの方が向いています。

理由は3つあります。


「数の認識」の強化ができる道具はそろばんだけ

計算が苦手な方の特徴で代表的なものは

・数字が苦手、嫌い
・ニュースや情報で数字を見てもピンとこない
・数字を読むことが苦手(特に桁数の大きいもの)
・計算式を見ると自力で答えを出すのを諦める

辺りでしょうか。
計算が苦手な人に共通しているのが「数を認識する力」が弱いということです。
そして計算や数字に強くなろうと思えば、数字で学ぶよりも先に「数の認識」の強化をしなければなりません。

「数を認識する」ということと「数字を認識する」ということは全くの別物なのです。

「数を認識する」ということと「数字を認識する」の違い

この原理を知らずに、いくら数字で学んでも、ますます計算や数字が嫌になっていくだけです。

では、どうすれば「数の認識」の強化ができるのか?

それは数字を使うのではなく、脳が直感的に、かつ具体的に数を認識できる手法あるいは道具を使うのです。その道具の一つとして、そろばんは非常に効果の高い道具だと言えます。

計算というのは人間が行う場合は、通常、十進法で行います。
そして、そろばんは十進法を目で見て具体的に認識できる道具であり、十進法の学習に最適と言われています。あるいは桁の概念を学習するには最適とも言われます。

 ー そろばんは十進法の道具

これは確かにそうですが、それ以上に、そろばんが有用な理由があります。それはそろばんが十進法であるとともに二五進法(にごしんほう)という特長があるからです。この二五進法という特長のおかげで、そろばんを使えば、「数の認識」の強化をすることが可能になります。

ちなみに、私が開発したそろばん式脳トレーニング®では、そろばんという道具さえ使わずに二五進法で「数の認識」の強化をすることができます。

数の認識力UP無しに数字に強くなることはありません。計算や数字に強くなるためには、数の認識力をアップさせるという基礎固めが極めて重要なのです。

この「数の認識」の強化というのは、家づくりに例えて言えば、基礎工事前の地盤改良、地盤固めに当たります。いくら家の土台や柱をしっかり作っても、その下の地盤が弱いと話になりません。計算や数字に弱い人は、地盤改良に相当する数の認識力強化が必要ということですね。

数字を使わない学習が可能

数字が苦手なのに数字で学ぶのは無理がある?

それは理解できたけど、そんなこと言ったって、そろばん学習をする為には、練習問題やテキストには数字が出てくるじゃないか。結局、数字を使わないと数の学習もできないじゃないか。
こんな声が聞こえてきそうですが、実は、そろばんを使ったトレーニングは数字を使わなくてもできます。特に数の認識力強化という基礎を作るには、数字から離れる時期が必要です。

数字を使わないというのはどういうことかと言うと、わかりやすい一例を挙げると、声でのトレーニングをするということです。例えば、「よん」と言われて「4」という数字と結びつけるのではなく、「○○○○」という4つの物理的なもの(あるいはイメージ)と結びつけるトレーニングです。
計算に強くなる為には、「数」→「数字」→「計算」ではなく、「数」→「計算」という回路を頭の中に作ることができるかどうかがポイントになります。

これは語学の学習に似ています。
例えば、英語の学習をする時に、林檎という物体を見て、「林檎という物体」→「りんご(という日本語・文字)」→「apple」ではなく、「林檎という物体」→「apple」とダイレクトに結びつける回路が脳内にできれば英語力は向上します。数字や計算に強くなるには、「数字」の要素を弱める学習時期が必要で、それがすなわち、数の認識の強化になるということです。

特に数字や計算が苦手な方の「数の認識力」は個人差が非常に大きいです。よって、まずはここを見極め、そろばんを使って、その人に最適なカリキュラム、進め方でトレーニングをすることが大切です。

個人個人の「数の認識力」の見極めは専門的な知識と経験が必要ではありますが、計算が苦手な大人向けの珠算(そろばんでの計算)教授法のノウハウを持つ人からトレーニングを受ければ、計算嫌い、数字嫌いを克服することは難しいことではありません。

楽しいから続けられる

数字や計算が苦手で、色々な算術、算法などを試してみたが、結局苦手の克服には至らなかった。

よくある話です。

苦手克服に至らなかったのは、理由があります。
まず、数字で学ぼうとしたこと。「数の認識」の強化ができるのはそろばんだけのところで述べたように、数字で学ぶよりも前に数を認識する力を向上させることが大切です。数字が苦手な人が数字を使って学ぶと、苦手意識も手伝って、楽しむことはできません。

しかし、そろばんは違います。
大人になってから、そろばんをやり始めた多くの人が楽しいと言います。
「好きこそものの上手なれ」という諺がありますが、やはり楽しくないと身に付きません。

楽しみながら取り組める。

もしかしたら、最も大切なことかもしれません。


大人が暗算力を獲得するために

子供がそろばんを習っている状況から判断して、そろばんは何年も通わないと身につかないと考える人もいるかもしれませんが、珠算教育の専門家という立場から言わせてもらえれば、これは明確に間違いです。大人のそろばん学習を子供のそろばん学習と同じ時間軸で捉えることはできません。大人の方が子供より遥かに速く上達します。

ところで、日常で、あるいはビジネスで。紙もペンもない状況で、会話の中でサラサラと計算をする力が欲しいという人も多いのではないでしょうか。こういった場面では数字を見ずに数を操作する必要があるので、やはり先に述べた通り、「数の認識」の強化は避けては通れません。そして、究極の計算力を身につけるには、そろばんの学習だけでなく、珠算式暗算のトレーニングは必要でしょう。

しかし、珠算式暗算はそろばんの練習をしているだけでは絶対に身に付きません。大人が珠算式暗算(そろばん式暗算)を習得しにくいのは、子供のように頭が柔らかくないからだ、と言われることがあります。しかし、大人がそろばん式暗算を習得しにくい根本的な原因はもっと違うところにあります。大人が珠算式暗算を身につけるためのトレーニングノウハウの下、トレーニングを積めば大人でもきちんと珠算式暗算は身に付きます。


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