そろばん式脳トレーニング〜初級〜【8】そろばん式指計算 レベル2

 今回、ご紹介するのは、そろばん式指計算のレベル2です。

 そろばん式指計算というのは、そろばんと同様のコンセプトを手指で表現する「そろばんフィンガー」というものを使って行います。今回は、以前ご紹介した「そろばん式指計算 レベル1」の次のステップにあたる「そろばん式指計算 レベル2」をご紹介します。このレベル2も、そろばん式指計算のカリキュラムの中では入門編にあたります。

目次

そろばん式指計算 レベル2

そろばん式指計算 レベル2

そろばんフィンガーとは

 そろばん式脳トレーニング®️では、手指で数を表現するときはそろばんフィンガーという手指の形を使います。このそろばんフィンガーを使って計算するのが、そろばん式指計算というトレーニングです。ちなみに、そろばんフィンガーを使って行う指体操を「そろばん式指体操」と言います。そろばん式指体操の最も基本的なタイプであるタイプ1はコチラで解説していますので、興味のある方は参考にして下さい。

 今回のレベル2では、五指(ごゆび)というものが出てきます。そろばんフィンガーでは親指一本を5として扱い、これを五指と呼びます。そして五指を使うことで、そろばんフィンガーでは片手で9までを表すことができます。

 そろばんフィンガーでは0から9を以下のように表します。

そろばんフィンガー0そろばんフィンガー1そろばんフィンガー2そろばんフィンガー3そろばんフィンガー4
そろばんフィンガー5そろばんフィンガー6そろばんフィンガー7そろばんフィンガー8そろばんフィンガー9
そろばんフィンガーの0から9

レベル1で使用したそろばんフィンガー

 そろばん式指計算のレベル1は、上記の図では、上段の0から4までを使いました。人差し指から小指は、それぞれ一指(いちゆび)と呼び、一本が1を表します。これは特にそろばんフィンガーという意識をしなくても、普通に指を使って0から4までを表すのと同じなので難しくはないと思います。

レベル2で使用するそろばんフィンガー

 今回のレベル2では、上記の図の下段の5から9を使用します。親指は五指、すなわち一本で5となりますので、5から9は上記のイラストのように表現します。

 慣れないうちは、そろばんフィンガーの9を5と考えてしまうことがあるかもしれません。特にここは意識をしっかり持って取り組んで下さい。

ルール

 出てきた計算式にそって足したり引いたりします。途中経過で引けなくなる(マイナスになる)ことはありません。また、途中経過も含めて0から9までの範囲しか出てきません。引けなくなったり、10以上になったら、その時点で間違っていますので、もう一度最初からやり直して下さい。
 このレベル2では6以上の足し算や引き算は出てきません。1から5を足す、もしくは引くというレベルのトレーニングになります。

基本動画

 基本動画では、画面が切り替わるスピードが5段階あります。例題や理論の説明、ポイント説明などもありますので、詳細を知りたい方は基本動画をご覧ください。

ショート動画

 そろばん式脳トレーニングのYoutube公式チャンネルには1分程度でできるショート動画もあります。ショート動画でも色々なスピードのものが配信されています。毎日脳トレをやりたい方は、Youtubeの公式チャンネルを登録してやってみましょう。

 チャンネル登録はコチラから

トレーニング集

 解説や例題を省いたトレーニング集もあります。やり方はわかっているので、このトレーニングを集中的にやりたいという方は、以下のトレーニング集にチャレンジして下さい。

ゆっくりスピード
ややゆっくりスピード
普通スピード

脳の活性化の効果を高める為に

 画面に出る計算式(足すX、引くXなど)を声に出しながら行うと効果がアップします。

注意点

 基本動画には5段階のスピード(ゆっくり、ややゆっくり、普通、やや速い、速い)があります。計算に伴う指運動をしっかりと行うことが大切ですので、できるだけ大きく、はっきり指を動かすことを意識しましょう。
 スピードがゆっくりのもので、計算だけでは簡単に感じるものであっても、指を動かすことで脳の活動量は増えますので、少しゆっくりめに感じるレベルをやることもオススメです。

トレーニングのポイント

そろばん式指計算レベル1を振り返る

簡単な計算+指運動で脳がより活性化

 レベル1では親指(そろばんフィンガーでの五指)は使わず、人差し指から小指までの4本の指を使いました。これは普通に数を数えるのと同じ原理です。簡単な計算や音読は脳の活性化に有効だと言われていますが、そろばん式指計算では、それだけでなく、指運動が加わることで、より脳の活性化に有効です。計算式を声に出しながら行うと、さらに脳の活性化の効果が得られます。

そろばん式指計算は「単純な計算」ではないから効果が高い

 そろばん式指計算が脳の活性化に効果があるのは、「単純な計算」だけではなく指運動を伴うからです。実は、大人が「単純な計算」を行っても、それほど脳は活性化しません。なぜ、大人が単純な計算を行っても脳が活性化しないか?
 それを知る為には「大人が行う単純な計算」の正体を理解する必要があります。

「大人が行う単純な計算」の正体

 計算というものを初めて学習する子供たちは、最初はイラストや手指など具体的で、目で見えるものを数えることで足し算や引き算の計算結果を出します。しかし、いつまでもこんなことをやっているようでは算数に必要な計算スピードが得られません。そこで子供たちは計算ドリルを使って何度も何度も反復学習をし、一桁の足し算や引き算はパターンを暗記してしまうのです。例えば、3+5=8とか、7−2=5のように。
 そして、複数桁になった場合は、それを自分がパターン暗記をしたところまで分解して、一つずつ答え(の一部)を書いていき、それを積み上げていって答えを出します。これが筆算です。
 少々乱暴な言い方になりますが、大人が行う単純な計算とはすなわち、ドリルの反復で暗記したパターンをアウトプットしてるだけなのです。

そろばん式指計算は敢えて指を動かす

 単純な計算の結果を既に知っている、覚えてしまっている大人にとっては、計算の答えを出すだけだと脳にとっては、それほど大きな刺激を与えるものにはなりません。そろばん式指計算は、計算を、覚えているパターンを取り出すという単純な計算にするのではなく、敢えて指を動かすことで脳に刺激をもたらすという効果を得ることができます。

五指という概念が脳の慣れを排除

 五指、つまり親指一本を5とすることで、通常は5を表す(じゃんけんで言うところの)パーの手を9と考えなければなりません。これは今までパターンとして覚えていたものとは違う概念の為、こうした数の表し方に脳は慣れていません。
 普通、手で数を数える場合は全ての指を一本が1として考えるからです。

そろばんフィンガーがそろばん式の理由

 そろばんでは上側の珠(専門的には梁より上の珠と言います)を、物理的に一つの珠であるにも関わらず5として扱います。このことで、一桁で物理的に5つの珠しかないにも関わらず0から9までの数を表します。そろばんフィンガーはこの考え方を採用しています。物理的に一本の指である親指を5として扱うことで、5本の指しかない片手で9までを表現するということですね。

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