そろばん式脳トレーニング〜初級〜【2】そろばん式指体操 タイプ1

 今回、ご紹介するのは、そろばん式指体操です。

 そろばん式指体操というのは、そろばんと同様のコンセプトを手指で表現する「そろばんフィンガー」というものを使って行います。そろばん式脳トレーニングの中でも代表的なコンテンツのうちの一つです。色々なタイプ(アレンジ)のものがありますが、今回は最も基本的なタイプのものをご紹介します。

目次

そろばん式指体操 タイプ1

基本動画

そろばん式指体操 タイプ1

ルール

 今回のそろばん式指体操を含む、そろばん式脳トレーニングでは、手指で数を表現するときは、基本的にそろばんフィンガーという手指の形を使います。そろばんフィンガーでは、親指を5として扱い、人差し指から小指の4本は一本を1として扱うことで片手で9までを表します。そして、動画で出てくる数字を、そろばんフィンガーで表現して下さい、というトレーニングです。

 今回の基本動画では、画面が切り替わるスピードが5段階あります。

追加ルール1(オプション1)

 出た数字を声に出しながら行うと効果がアップします。

追加ルール2(オプション2)

 (a) 赤い数字は左手で作る
もしくは
 (b) 赤い数字が出たら右手と左手を入れ替える

注意点

 追加ルールを取り入れると脳の活性化の効果が高まります。追加ルール1と追加ルール2の2つとも取り入れられる人は、是非、挑戦してみて下さい。
 ただし、一つだけ注意点があります。難しいと感じるようでは効果は高まるどころが弱まります。難しすぎるのはダメ、ということですね。
 上記の基本動画ではスピードが5段階あります。追加ルールを課して難しくしたものをゆっくりスピードでやるよりも、少し簡単と思えるレベルのものを速い目のスピードでやる方が効果的です。

トレーニング集

 解説を省いたトレーニング集もあります。やり方はわかっているので、このトレーニングを集中的にやりたいという方は、以下のトレーニング集にもチャレンジしてみて下さい。

ゆっくりスピード
ややゆっくりスピード
普通スピード

ショート動画

 そろばん式脳トレーニングのYoutube公式チャンネルには1分程度でできるショート動画もあります。ショート動画では、今回のそろばん式指体操以外のトレーニングや、それぞれ色々なスピードのものが配信されています。毎日脳トレをやりたい方は、Youtubeの公式チャンネルを登録してやってみましょう。

 チャンネル登録はコチラから

トレーニングのポイント

使用している珠算の要素

 通常、手で数を表す時は指一本が1を表し、片手では5まで、左右両方の手を使うと10までを表すことができます。

 一方、そろばんでは、上の珠(たま)は五珠(ごだま)と呼び、物理的に一つの珠ですが5として扱います。このことで一列(一桁)で物理的に5つの珠しかないにも関わらず0から9までを表すことができます。このそろばんのコンセプトを指で表現するのがそろばんフィンガーです。

数を表現するのに数字を使用するのではなく、そろばんフィンガーを使用する

 数字は数を表す記号に過ぎません。大人の脳の中では数字と数は切り離せないほど同一化しています。よって数字を見れば、例えばそれが3の場合、■■■と3つのものと瞬時に理解できますし、7だったら■■■■■■■と7つのものと瞬時に理解できます。

 そろばんでは、数をそろばんの珠(たま)を使って表します。そして、上述の通り、そろばんでは物理的に一つの珠にも関わらず一つで5を表す五珠(ごだま)というものがあります。もし5を◆とするなら、そろばんを使わない場合、7は■■■■■■■と表現しますが、そろばんでは◆■■となります。
 そして、このコンセプトを手指で表現したのがそろばんフィンガー、ということになります。

一般的な表現ではないそろばんフィンガー

 そろばんもそろばんフィンガーも物理的に一つしかないものを5として扱うという要素があります。これは一般的ではありません。一般的ではない為、脳がこうした表現に慣れていません。慣れていないことは脳に刺激が入り活性化します。

認知症予防の為に効果を発揮する、そろばん学習の段階

 そろばんが大人の脳の活性化、脳の若返りに最も効果を発揮するのは、こうした数の表現方法に慣れていない、初歩、入門の段階です。しかし、脳がこうした数の表現方法に慣れてくると、次第に脳の活性化という観点では効果は薄くなります。皮肉なことに珠算技能が向上すればするほど、大人の脳の活性化という点では効果は少なくなっていきます。

 光脳イメージング装置(光トポグラフィー装置ともいいます)で、脳の血流量が増え、脳への刺激が得られるという結果が出るのも、珠算学習初期の段階、もしくは久しぶりに珠算をやった場合です。日常的に珠算をやっている場合は、光トポグラフィー装置で見ても効果は薄いということがわかります。さらには、種目(掛け算、割り算、加減算)の違いや珠算技能(レベル)の違い、計算技法の違いでも、その効果に差は出ます。弊社では、こうした種目別、珠算技能のレベル別、計算技法別でも実験の測定を行っています。

大人の脳の活性化で鍛えるべき主な部位は前頭葉と海馬

 大人の脳の活性化、ひいては認知症予防をしようと思えば、脳を総合的に鍛える必要があります。特に前頭葉(前頭前野、前頭連合野)と海馬という部分を鍛えることは重要です。
 ちなみに、珠算技能の初級レベルの人が行う見取算(加減算)は前頭前野の働きを高めます。一方、海馬と呼ばれる記憶の出し入れをする部位は、珠算では限定的にしか鍛えられません。

そろばん式脳トレではあらゆる段階で脳の活性化の効果を得ることが可能

 珠算の場合は速く正しく計算結果をだすことが目的ですから、こうした数の表現方法にできるだけ早く慣れる必要があります。

 これに対して、そろばん式脳トレーニングの目的は、速く正しく計算結果をだすことではなく、あくまでも大人の脳の活性化です。よって慣れを適切に排除します。そろばんフィンガーも何度もやっていると脳は慣れてきます。そこで、脳が慣れを感じたタイミングで適切なアレンジを加えて、慣れを排除します。

 どうアレンジを加えれば効果的かというのは、認定インストラクターはきちんと講習を受講しているので適切なレベルのアレンジを加えることができます。個人でやる場合は追加ルールをご自身のペースで追加してやっていくようにして下さい。くれぐれも難しくし過ぎないということには注意を払って下さい。

 このアレンジに慣れてくれば、別タイプの、そろばん式指体操にも挑戦しましょう。別タイプのそろばん式指体操では、海馬の機能向上に効果を発揮するタイプもあります。Youtubeの公式チャンネルでは海馬の訓練にもなる脳トレーニングも配信をしていきますので、興味のある方はチャンネル登録をしてチェックして下さいね。

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