そろばんを独学するメリット/デメリット、教室に通うメリット/デメリット

どんな習い事、お稽古事でも、独学である程度は身につけることはできます。もちろん、そろばんもそのうちの一つです。

では、教室に習いに行く意義とは何でしょうか?
子供に珠算(珠算式暗算)を習得させようとした時に、独学ではダメなのか、教室に通う意義は何なのか。

今回は、そろばんを独学で学習するメリットとデメリット、教室に通うメリットとデメリットをわかりやすく説明しましょう。

独学で学習するメリット

費用が節約できる

最も大きなメリットがコスト面ではないでしょうか。そろばんを独学で学べる教材は大型書店に行けばあります。また、最近はYoutubeで、そろばんのやり方を説明する動画もありますので、頑張れば無料で学ぶこともできそうです。

時間に縛られなくて良い

教室に通う場合は、曜日や時間帯の制約があります。他の習い事などとのスケジュール調整が必要な場合も出てくるでしょう。独学の場合は、早朝であろうが夕食後であろうが、子供やご家庭のご都合に合わせることができます。朝食前やオフロに入った後にパジャマで学習(練習)することもできますね。

独学で学習するデメリット

良い教材が見つからない

大型書店やAmazonなどでは、そろばんを独学で学べる教材は確かにあります。しかし、英会話教材のように多くの種類があるわけでもない上に、子供の年齢(学年)にピッタリの教材というのはなかなか見つかりません。就学前の子供にとっては難しすぎるが、小学3年生の子供にはちょうど良いといった場合もよくあります。その逆もあるでしょう。英会話の教材のように種類も数も多ければ、ちょうど良いものも見つかるかもしれませんが、現状、そろばんの教材は数も種類も圧倒的に足りません。子供の年齢にピッタリの教材がそもそも存在しないというケースも多々あります。

適正な練習量が得られない

仮に独学で学習できる教材が見つかったとしても、新しく学んだことを習得していくペースには個人差があります。同じテキスト(教材)を使ったとしても、飲み込みの早い子には問題量が必要以上に多い一方、ゆっくりと習得していく子には問題(練習)量が少なすぎるというように。
上級レベル以上になれば、適当に作った問題でもある程度の練習にはなりますが、中級くらいまではそうはいきません。やはりレベルに応じた良質な問題を適正量練習しようと思えば、独学では限界があることは否めません。

これに対して教室に通うメリットとデメリットは以下の通りです。独学の裏表の関係ですが補足を含めて記載しておきましょう。

教室に通うデメリット

月謝が必要

独学だと道具とせいぜい教材代くらいしかかかりませんが、教室に通うとなると授業料(月謝)が必要になります。

時間に縛られる

曜日や時間はきちんと決めなければなりません。最近はオンラインレッスンを設けている教室もあり、ある程度は時間的な融通はききますが、それでも独学する場合に比べると全く自由という訳にはいきません。

指導者(先生)と合わない場合がある

複数の先生がいたり、複数の教室があってそれぞれで先生が違う場合は、合わなければ教室を変わるということはできるかもしれませんが、先生が一人でやっている場合などは、先生と合わなければ子供にとって良いことではありません。独学の場合は教材が合わないということはあっても、先生(人)に教えてもらう訳ではないので、人間関係で悩むことはありません。

教室に通うメリット

子供に適切なテキスト、練習量を準備してもらえる

そろばんは子供の年齢(学年)に応じて適正な教材は変わります。

脳の発育スピードには個人差があるので、同じ教材を使ったとしてもすべての子供が同じ成果を出せる訳ではありません。脳の発育の早い子には遅すぎるし、ゆっくりな子には早すぎるということが往々にして起こります。

また、同じレベルでも、脳の発育度合いによって必要な練習量は変わります。晩成型の脳の子には(練習問題の)量が足りないということもよくあります。

珠算教室に通うと、個人に合わせて適切な教材、適正量の練習量を準備してもらえます。指導者(先生)が子供に合わせて作問(問題を作ること)してくれる教室もあり、私が運営する教室でも作問することは多いです。

これは独学では絶対に得られることのないメリットだと言えます。

効率的に上達できる

そろばんをやったことがない人にはわかりませんが、以下の問題は、そろばんでは全部、難しさが違います。

1+3=

2+5=

2+6=

3+3=

2+9=

5+9=

これは一例ですが、子どもたちがどこで躓くのか、そして、その弱点を克服するために、どんな問題をどれくらいの量やればよいのかを、独学で見極めて、独習することは不可能です。効率的に上達するためには、やはり教室に通うのが早いことは間違いありません。

何年かかってもよいから自分のペースでゆっくり学びたいというのであれば別ですが、子供が効率よく、その子に合った形でそろばんを学習するのであれば、教室に通う方がはるかに早く習得できることは間違いないでしょう。

これ以外にも、メリット/デメリットはありますが、今回は特に入門から初級レベルで独学と教室で学ぶ場合のケースを挙げました。