今回、ご紹介するのは、「読み替え音読 干支バージョン 2022年編」です。「読み替え音読」は非常に多くの種類があり、種類によってルールが異なります。今回は干支バージョンのトレーニングについて、やり方や理論などの説明です。
読み替え音読 干支バージョン 2022年編
基本ルール
動画が始まると、色々な単語、言葉が一定時間ごとに出てきます。表示された単語、言葉を読み上げます。ただし、今回の課題は「読み替え」音読。2022年編なので、以下の言葉が出てきた時は「2022年ルール」に則って読み替えます。
2022年ルール
2022年は十二支ではトラ年にあたります。よって、
●「トラ」と出た時には「今年」と読み替え、
●「今年」と出た時には「トラ」(もしくはトラ年)と読み替えます。
単語、言葉を読み上げる時は、できるだけ大きな声ではっきりと読み上げましょう。そして、トレーニング動画が最後まで終わった時、最後に読み替えた単語(読み替え後の単語)が何だったのかを答えて下さい。
アレンジルール1
同じ動画を使って、以下のパターンの読み替えもやってみましょう。
●「ウサギ」と出た時には「来年」と読み替え、
●「来年」と出た時には「ウサギ」(もしくはウサギ年)と読み替えます。
アレンジルール2
基本ルール、アレンジルール1、それぞれでできた方は、基本ルールとアレンジルール1を同時に適用してやってみましょう。かなり難しくなります。
画面の切り替わるスピードについて
画面(単語・言葉)の切り替わるスピードは、この基本動画では、「ゆっくり」「ややゆっくり」「普通」「やや速い」「速い」の5段階あります。ご自身にあったスピードがわかったら、チャンネル内にあるスピード別の動画にもチャレンジしてみましょう。
トレーニングのポイント
使用している珠算の要素
ある状態を一時記憶しながら処理を行っていく、というのが珠算の要素にあります。珠算の場合、一時記憶しておくものは、数(数字)だったり、今、足しているのか引いているのかなどの演算処理です。
珠算だけでは得られない効果
珠算の場合は数や数字、演算式などのパターンがあります。速く、正しい計算結果を出すことが目的の珠算では、このパターン処理や指の動かし方、珠の動かし方に習熟し慣れることが必要です。習熟し慣れることが珠算技能の向上だからです。
珠算技能が向上すると無意識に指が動き、考えなくてもそろばんの珠を動かすことができるようになります。しかし、考えなくてもできることでは、大人の脳の活性化、認知症予防にはなりません。これは光トポグラフィーという脳の血流量を調べる機械を使った実験でも明らかになっています。
脳が活性化するのに一番の大敵は「慣れ」
珠算は上達すればするほど脳に慣れが生じてしまいます。よって珠算技能が向上すればするほど、皮肉なことに大人の脳の活性化、認知症予防への効果は極めて限定的なものになってしまう、ということになります。
読み替え音読の効果
読み替え音読では慣れていないパターンを一時記憶しながら処理を進めていくというトレーニングです。脳には海馬という部位があります。これは特に短期記憶に密接に関係する器官であり、アルツハイマー型認知症にも関係します。適切な一時記憶の訓練をすることは、大人の脳の活性化や認知症予防に非常に効果的なのです。
読み替え音読でも何度も繰り返しているとパターンに慣れてきますが、慣れてきた頃に違う種類の読み替え音読トレーニングをやったりバリエーション(オプションルール)を加えるなどで、脳に慣れを生じさせず、かつ、楽しくトレーニングを行うことができます。
出来事を思い起こすことで脳を刺激する
今回、ご紹介したのは、2022年編なので、主に2022年に流行した単語や言葉で構成されています。年末に取り組むことで、その年の記憶をおさらいするということもポイントです。年末にその年に起こったことをおさらいすると、意外にも「それって今年の出来事だったんだ」ということが、ままあります。
少し前に起こった出来事を想起することは記憶機能に働きかけます。海馬は短期記憶を長期記憶に送るかどうかを決める司令塔の役割とも言われていますが、今回のトレーニングは、短期記憶(一時記憶)機能のトレーニングをしながら記憶全般の訓練もしているということになります。