そろばん式脳トレーニング〜初級〜【1】 数え読み上げ(天気編)

 そろばん式脳トレーニング®︎は、珠算(そろばんを使っての計算)や珠算式暗算(そろばん式暗算)のコンセプトの中から、大人の脳の若返り、脳の活性化、ひいては認知症予防に必要な要素を抽出し、トレーニングに落とし込んだものです。

 そのトレーニングは、レベル別に、初級、中級、上級と分かれています。そして、初級レベルは道具(そろばん道具)さえ使いません。道具を使わないこともあって、初級トレーニングでは、どんなことをするのかのイメージが湧きにくいかもしれません。また、一見すると、そろばんと無関係に見えたり、どういった要素が脳の活性化に効くのかがわからないかもしれません。

 そこで、Youtubeのそろばん式脳トレーニング®︎公式チャンネルで配信している実際のトレーニングをとりあげて、その理論を説明します。Youtubeで配信している其々のトレーニングの基本動画でも、その理論を動画後半の「トレーニングのポイント」で説明しています。

目次

数え読み上げ(天気編)

基本動画

ルール

 数え読み上げ(天気編)では、晴れ、曇り、雨、雪などの天気を示す単語を読み上げます。ただし「晴れ」と出てきた時のみ、「一日」、「二日」、「三日」・・・のように数え上げていき、課題の最後まで行った時に、晴れの日が何日あったかを答えるというトレーニングです。同じ課題で、「曇り」「雨」「雪」の日を数えることで4回のトレーニングが可能です。

トレーニング集

 解説を省いたトレーニング集もあります。やり方はわかっているので、このトレーニングを集中的にやりたいという方は、以下のトレーニング集にもチャレンジしてみて下さい。

ゆっくり
ややゆっくり
普通
やや速い

ショート動画

 そろばん式脳トレーニングのYoutube公式チャンネルには1分程度でできるショート動画もあります。ショート動画でも色々なスピードのものが配信されています。毎日脳トレをやりたい方は、Youtubeの公式チャンネルを登録してやってみましょう。

 チャンネル登録はコチラから

使用している珠算の要素

今の状態を一時記憶しながら処理を続けていく

 珠算では、掛け算で「どこまで掛けたかな?」とか、見取算(加減算)は「どこまで足したかな?」ということが起こることがあります。この「どこまで掛けたかな?」とか「どこまで足したかな?」が起こった瞬間、そして、その「どこ」がわかった瞬間に脳のスイッチが入り、脳が活性化します。

珠算では得られない効果

 珠算の目的は、速く正しく計算結果を出すことです。ですから、「どこまで掛けたかな?」「どこまで足したかな?」ということが、たびたび起こるようではいけません。どこまで処理したかという迷いが起こらないように、練習、お稽古を重ねて珠算技能の向上を目指します。そして、珠算技能が向上すればするほど、こうしたことで迷うことなく計算処理を自然にこなせるようになります。しかし、自然にこなせることでは脳は活性化してくれません。珠算技能が向上すればするほど、皮肉なことに脳の活性化の効果は薄れるのです。

数え読み上げ(天気編)は、一時記憶しながら処理を続ける、という珠算で使われる要素を抽出して課題として制作したトレーニング、ということになります。

脳を活性化させるポイント

「慣れ」を排除

珠算では、その技能が向上すればするほど、脳に「慣れ」が生じます。速く正しく計算結果を出す為には、脳がその処理に慣れる必要があるからです。
一方で脳を活性化させる大敵なのが「慣れ」です。「慣れ」を排除すると脳に刺激が入りますので、計算力向上ではなく、脳を活性化させる為には、適度に慣れを排除する必要があるということになります。

一時記憶に重要な働きをする海馬を鍛える

左右の脳に海馬(かいば)という器官があります。小指ほどの大きさで側頭葉に位置します。これが記憶に関して、とても重要な働きを担っていて、認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症では海馬の萎縮が見られます。海馬は一時記憶の役割を果たしますが、この海馬を鍛えることは認知症予防に極めて有効です。

今回、ご紹介した「数え読み上げ(天気編)」は「慣れ」を排除し、海馬を鍛えるというトレーニングです。天気編と書いてるのは、数え読み上げは色々なバリエーションがあるからです。あるバリエーションに慣れてくれば、違うバリエーションのものに挑戦することで、常に慣れを排除した状態で海馬を鍛えることが可能になります。

数え読み上げの他のバリエーションのものはYoutubeで配信していますが、このコラムでも機会があれば紹介していきたいと思います。

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