そろばん教室のフランチャイズについて

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そろばん教室フランチャイズ加盟(FC加盟)の失敗


 ここ数年、そろばん教室(珠算教室)のフランチャイズ加盟で失敗する事業者様や個人の例を見聞きすることが多くなりました。特に学習塾やプログラミング、英会話教室などとの併設で、そろばん教室(そろばんコース)を運営しようとしてフランチャイズに加盟したものの、思うように生徒が集まらなかったり、そろばん教室(そろばんコース)の評判が芳しくなく、本業に悪影響を及ぼすというケースが多いようです。


 フランチャイズ加盟の失敗事例はコチラが参考になります。


 そろばん(珠算)やそろばん式暗算(珠算式暗算)というのは優秀な指導者の下で学べば、非常に高い学習効果が得られる習い事です。しかし、目先のコスト(加盟金などの初期費用)をケチったり、利益だけを優先した結果、低品質なそろばん教育しか提供できず、教育効果が得られなかったり、挙げ句、評判を落として事業が行き詰まるというケースが残念ながら最近は増えています。弊社では、このような事例で教育系企業様や学習塾様に失敗をして欲しくないのと同時に、全ての子供たちに、楽しみながらも高い学力・脳力を、そろばん学習を通じて養って欲しいと切望しております。


フランチャイズ加盟(FC加盟)がベストソリューションとは限らない


 弊社も、以前はそろばん教室のフランチャイズ(FC)加盟の募集をしていました。また日本企業としては初めて、海外でフランチャイズ登録を行い、正式なフランチャイズ事業として海外進出を果たしました。
 よってフランチャイズとして必要なノウハウを弊社で一通りパッケージで提供することは可能です。具体的には、検定試験実施、指導法、教室運営方法、経営戦略、効率的な生徒募集(集客)方法、資金調達やそれを可能にするシステム、研修制度、Webサイト活用法、プロモーション戦略などでしょうか。

 しかし、フランチャイズ加盟の失敗例を見聞きすることが最近多くなり、そろばんコース(そろばん教室)開校で学習塾や子供向け事業を運営されている企業や個人の方から、今の形ではダメだと思うということで、ご相談の問い合わせを弊社宛に頂くことが増えています。

 弊社自身も「そろばん教室のフランチャイズ制度」というものを再考する中で、フランチャイズがベストソリューションとは限らないとの思いが強くなってきました。なぜなら、そろばん教室を開きたい(そろばんコースを開講したい)場合、どういう企業(あるいは個人)が運営(もしくは指導)をするのかで最適なアプローチが変わるからです。また、何を目的として、珠算(暗算)を導入するのかによっても最適なアプローチは変わります。学習塾へのアドオンなのか、他の子供向け教育事業との併設なのかによっても必要とされるものが変わってきます。

 そろばん事業(珠算事業)のフランチャイズでノウハウ提供を受ける場合、ある企業にはtoo much(不要なものまで提供され過剰)、ある企業にはtoo little(必要なノウハウ提供が不足)というケースがほとんどです。弊社の知る限り、フランチャイズ本部からのノウハウだけで高品質を達成したところはほとんどありません。その企業(個人)が自ら、全国で行われている色々な研修会に参加したり、情報を収集したりで、結局は追加費用がかかったり、時間がかかったりで、本来フランチャイズ加盟で得られる手間や時間、コストの節約ができていないようです。

 フランチャイズ加盟(FC加盟)が向いている場合と向いていない場合があるのも事実です。そこで、次にフランチャイズ加盟(FC加盟)の向き不向きについて考察しておきましょう。

フランチャイズ加盟(FC加盟)が比較的向いているケース

 フランチャイズ加盟(FC加盟)が比較的向いている方もいます。それは個人事業として、自宅や公民館などを利用してそろばん教室を開校される方です。ご自身のそろばん(珠算)の経験を活かして、こじんまりと少人数の子供たちを指導するという方には良いかもしれません。ある程度のものはフランチャイズ本部が用意をしてくれるでしょう。

 ただし、何点か考慮および注意しておくべき事項がありますので、それらを説明しておきます。

フランチャイズ(FC)本部としての信用力の確認

 フランチャイズ(FC)として運営する為には、当然、その本部には商標登録などの知的財産権を含む、企業として最低限クリアしておかなければならない事項がいくつかあります。ノウハウも含めて財産的価値があり、それらを提供することでフランチャイズ契約をする訳ですから、こうしたことがきちんとされているかどうかは確認して下さい。
 正直、当たり前すぎて、ここにわざわざ明記する必要があるのかと思うようなことですが、フランチャイザー(フランチャイズ本部)として、こうしたことをクリアしていない企業だったり団体がありました。弊社に相談をされた方の話でお調べして判明しましたので、一応、注意点として挙げておきます。

研修は一方通行ではないか?

 研修はWebでビデオを見るだけ、あるいはDVDが送られてきて見るだけの場合、不明点が出てきた場合にきちんとフォローをしてもらえるのかどうかは確認しておいた方が良いでしょう。

OJTはあるか?

 できればOJT(On the Job Training)があると良いでしょう。子供たちへの珠算や暗算の指導というのは、教え方をわかっているだけでは極めて不十分です。生徒となる子供たちは色々です。学力や年齢、性格によって同じレベルでもアプローチは大きく変わります。教えるノウハウやカリキュラムがあったとしても、本当に質の良いそろばん(珠算)教育を子供たちに提供しようと思えば、どう子供たちの実力や能力を見極め、どういうペースで進めるべきなのかはとても重要な要素になります。
 みんなを一律の「進め方」、「カリキュラム」、「練習の量や質」で運営すれば、できる子には進め方が遅すぎて、もったいない、となります。逆に、理解がゆっくりな子には進め方が早すぎて、そろばんだけでなく理数系の教科の苦手意識がついてしまいます。
 研修の中に幼児教育理論や初等教育理論、児童心理学などのカリキュラムが含まれているのがベストですが、それがなかったとしても、開校前の実際の現場で実務経験としてOJTがあると安心して子供たちを指導できます。

自らが学ぶ意欲を持ち合わせているか?

 現状、フランチャイズ本部からのノウハウ提供だけで高品質の珠算指導(暗算指導)を行えているところはあまりありません。指導者自身に熱意があり、自ら勉強会や研修会を探して、全国で行われている研修会などに参加している方は、レベルの高い珠算指導をされているケースが多いです。子供たちへの指導に責任感を持ち、フランチャイズ本部への支払い以外に、時間とお金を投資する熱意は求められます。

フランチャイズ以外の方が望ましいケース

 学習塾や教育系企業で、そろばんの教育効果を望まれるのであれば、あまりフランチャイズ加盟はオススメしません。学習塾や教育系企業にはそれぞれのスタンスがあるはずです。進学実績を重視するのか、個別指導のような形なのか、ターゲットとしている年齢(学年)、またその幅は?などなど。
 そもそも、フランチャイズというのは、その看板とノウハウを提供し、本部の決めた通りの商品やサービス、オペレーションを行うという性質のものです。それが学習塾や教育系企業のスタンスに合わなければ話になりません。

 これらを総合的に勘案した時、仮に私が大手の学習塾や教育系企業の経営者だった場合で、高品質なそろばん教育を導入しようとすれば、フランチャイズではなく、オーダーメイド型の、自社にあった珠算教育のノウハウを提供してくれるところがないかを探します。しかし、こうしたことを提供しているそろばん関連企業は見当たりません。であれば、弊社がそれを提供しようではないか、と考えたサービスが弊社のそろばん教育ノウハウ提供です。

 子供向け珠算教室事業は、少子化が加速するに伴い、それ単体では創業融資を受けるのも厳しいほど利益率の低い事業です。そんな中、弊社では、そろばんを使ったシニア向けの認知症予防事業「そろばん式脳トレーニング®」や、そろばんの海外事業のノウハウを有し、事業としては高い利益率を達成しています。日本ではほとんど知られていませんが、海外でのそろばん教育は現在非常にポピュラーな習い事であり、非常に利益率の高い事業です。これらも併せてご提供することで、学習塾や教育系企業の海外進出のお手伝いをしたり、将来のシニア向け事業進出のお手伝いをしたり、各企業様のそろばん関連人財の活躍の場を広げ、そうした方々のやりがいの創出に繋げることが可能です。

 学習塾や教育系企業で、そろばん教育の導入をご検討の方は、下記のページも併せてご覧ください。

→そろばん教育ノウハウの提供

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