珠算検定試験制度について

珠算検定試験と暗算検定試験

 そろばんには検定試験というものがつきものです。そろばんの検定試験は珠算検定試験と言われ、それが暗算の試験だった場合は暗算検定試験と呼ばれます。今回は、この珠算検定試験や暗算検定試験、また、そもそもの「試験」というものの意味合い、目的などをみていくとともに、現行の珠算検定試験や暗算検定試験について、受験者サイドで知っておいたほうがよいこと書いておきます。

検定試験の種類

 そろばんで実施される検定試験は、どれくらいの到達度(水準)に達しているかを把握するためのものです。珠算検定試験を含め、多くの資格試験はこうした性質のものであり、こうした到達度に達しているかどうかを把握する試験を目標基準準拠テスト(CRT:Criterion Referenced Test)と言います。
 一方、高校や大学の入学試験、あるいは入社試験などは相対評価に基づく試験であり、こうした性質のテストを集団基準準拠テスト(NRT:Norm Referenced Test)と言います。

 それぞれのテストは、その目的に応じて使われますが、大小含め色々な課題もあり、試験制度を設計する側は常に改善を追求していかなければなりません。時代によって、その時に使える技術(ITなど)でそれまでの課題をカバーできる場合もありますので、ある時代にはベストだった試験制度が、次の時代にはもっと良いテスト方法が出てくるなんてことも往々にしてあります。
 また、試験を受ける側(受験者側)にとっても、その試験制度にどんな課題があるのかを把握しておくことは、本当の意味での「学び」を追求する一助にもなりますので、有意義なことだと言えるでしょう。

 まず、試験を受けるとなると、受験者側では合格することを目的とするでしょう。そんなことは、ここで贅言を費やすまでもないことですね。合格という基準が無い試験(例えばTOEIC:国際コミュニケーション英語能力テスト)でも、ある点数を目的としたり、所属する団体(企業)などから、目安となる目標点数を示されたりする場合がほとんどです。ということは、その試験を合格すること(ある点数を獲得すること)によって、把握すべき能力(基準・到達度)を測ることができ、なおかつ、それが本来、目的とするところと合致していないといけないわけです。

検定主催団体とそれぞれの難易度

 珠算検定試験というのは、当然、試験を主催する団体がある訳ですが、日本には多くの珠算団体(珠算連盟や珠算協会など)がある為、試験自体の難易度が違います。それぞれの団体がそれぞれのポリシーで基準を決めているので、難易度に差が出る訳です。また、同じ団体でも時代によって難易度が変わることがあります。例えば、公的な性格を持つ全国の商工会議所で実施されている珠算検定。実は、この商工会議所検定試験も昔とは難易度が変わっています。例えば、今のお母さんお父さん世代が子供だった頃の三級は今よりも難易度が上でした。もちろん二級も一級も三級と同様に昔の方が難しかったんです。昔はそろばんを使って早く正確に計算するということが実用的でしたし、かなりの人がそろばん学習をしていたので、そこそこの難易度で差をつけないと基準とならなかったことは間違いありません。

 ところが今は、「そろばんを使って」早く正確に計算結果を出すということだけがそろばん学習の目的とは限りません。能力開発としての側面やそろばん式暗算の能力を獲得するという目的も強くなってきています。よって、珠算検定試験の取得だけを目的としない学習者も増えています。例えば、学習塾の授業プログラムにそろばんを取り入れていて検定試験は基本的にやらないというところもあるわけです。

 そんな中、川西珠算学院では「基礎脳力の向上」と「珠算式暗算能力の習得」ということを重視しており、そのポリシーに準じた珠算協会に所属をしています。よってカリキュラムもその目的を達成するのに最適化されています。検定試験基準も相応の能力が得られているか、集中力はきちんと段階的に向上しているかということが見られます。昔に比べると簡単になった珠算検定と比較すると難易度は高いかもしれませんが、子供たちの能力向上という目的を達成するには最適なプログラムとなっています。