「脳のパフォーマンスはアウトプットで決まる」という実験 その1

Science誌の論文

kouen

世界でも権威のあるアメリカの学術雑誌、Science(サイエンス)。この雑誌で2008年に発表された、米パデュー大学のカーピック博士の論文を紹介しましょう。

ワシントン大学という名門大学の学生を多数集めてスワヒリ語40個を暗記する課題を与えました。単語とその意味を1セットあたり5秒ずつ見せて覚えてもらうという手順で学習は行います。未知の言語ゆえ、40個を一回で覚えるということはさすがの名門大学の学生でも、ほとんど不可能に近いと言えます。

そこで学習方法を変えた4つの被験者グループに分け実験を行いました。

Aのグループは一通り40個の単語を学習したら40個全てについてテストを行います。一度では覚えられないので、二回目も40個の学習をして40個のテストをします。これを40個全て間違いなく答えられるようになるまで繰り返しました。

Dのグループは最初40個の単語を学習して40個全てについてテストを行うところまでは同じですが、二回目は一回目にできなかった単語のみを学習し、できなかった単語のみをテストしました。三回目も二回目のテストでできなかった単語のみを学習し、できなかった単語のみをテストします。これをできない問題が無くなるまで繰り返しました。

Aは生真面目に学習するグループでDは要領良く学習しようとしたグループと言えますね。

次にBグループ。こちらも、最初40個の単語を学習して40個全てについてテストを行うところまでは同じです。しかし二回目以降の取り組みがA、Dと違うところでした。Bグループは二回目は一回目に答えられなかった(間違った)単語のみを学習し、テストは40個全て出題します。三回目は二回目にできなかった単語のみを学習し、テストは40個全てのテストをしました。これをできない問題が無くなるまで繰り返しました。

CのグループはBとよく似た方法でしたが、学習とテストが逆でした。すなわち、最初40個の単語を学習して40個全てについてテストを行うところまでは同じです。(ここまでの手順は全てのグループ同じですね)
二回目以降がBと逆で、学習は40個全ての単語に対して行しましたが、テストはできなかった(あるいは間違えた)単語のみを行います。三回目も40個全ての単語を再学習しますがテストは二回目に間違えた単語のみを実施しました。これをできない問題がなくなるまで繰り返しました。

BとCは取り組み方が似ているので混乱しそうですが、表でまとめると以下のようになります。

カーピック博士の実験表1

実は、40個の単語を全て覚えるスピードに関してはA~Dのどのグループも大差はありませんでした。しかし、カーピック博士は一週間後に、それぞれのグループの学生に同じ単語のテストを行ったのです。その結果(成績)で実に面白い結果が出ました。次ページでは、この結果についてご紹介します。

 

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